花から見える、チェコの5月

緊急事態宣言の延長が5月17日までとなることが、先日チェコ下院で議決された。

前回の投稿で書いたように、首相はじめ政府の面々は5月末までの延長を主張していたが、野党の反対にあい、妥協する結果となったらしい。

もっとも店舗や文化施設などの営業制限は当初の予定どおりなので、緊急事態宣言と「人の自由な移動」、出入国制限、店などの営業再開予定はすべて別個にチェックしなければならず、かなりまぎらわしい。

「スーパーマーケットなどの食料品店およびドラッグストアでは、午前8時から10時までの時間帯を65歳以上のシニア限定とする」という規則、あれはまだ解除されていなかったんだっけ・・・?もう細かい決まりが多すぎて、わからない。

これも国土が狭く、人口も少ない国だからできること。国民も色々と文句を言いながら、結局は感染状況も落ち着いてきているので(5月1日0時現在、感染者総数7642人、死者227人)、まあ効果があったなら仕方ないか、という感じ。

マスクに関しては6月まで着用義務が続くだろう、というのが今の政府見解だ。ただし、7歳までの小児や障がい者の集まる場所(幼稚園、保育所、障がい者施設など)ではマスクを着用しなくてもよいことになった。

一昨日、町の中心にある旧市庁舎の庭園に行ってみた。

こんな状況でも花壇の手入れはちゃんとされていて、無数のパンジーがまぶしいくらいだった。

この写真を撮る前、花壇の奥に写っている方の芝生で、5人の若者がマスクを着けずにピクニックをしていた。

そこに2人の警官がやってきて・・・マスクをしていないことを咎められ、身分証明書の提示を求められていた。

罰金を払っていたかどうかは見えなかったが、お咎めの現場を見たのは初めてだったので、へえーと思った。(何というか、ほんとにダメなのね、という感じ?)

さて、今日は5月1日。いわゆる「メーデー」、チェコでは表向きは Svátek práce(勤労の日)だが、またの名を Svátek zamilovaných(恋人たちの日)ともいい、こちらの方が長い歴史をもつようだ。

花が咲いているサクランボの木の下でキスをすると、永遠の愛が叶うといういわれがあり、今年はマスクをしたままキスしているカップルの写真がネットで散見される。

チェコでは5月は「愛の月」で、日本で「ジューンブライド」といって6月に結婚するのがよい、とされているのはローマ神話に基づくものだが(6月の英語名 June の由来である Juno(ユノ)という女神が、結婚の女神だから)、チェコでは結婚式を挙げるのに5月が好まれる。

サクランボの木は桜に似ているが花は白くて、今年はもう散りかけのところが多い。

今の花ざかりはリンゴ、コデマリ、ライラックといったところか。

「ライラック色」というと、柔らかい藤色を思い浮かべるが、この写真のような白も私は好きだ。

チェコに来る前は小さな灌木だと思い込んでいたが、どうしてなかなか大きな木である。

集まって咲いているそばを通ると、マスクをしていても甘い香りを感じる。

こちらはいわゆる「ライラック色」のライラック。

チェコ語でライラックは šeřík(シェジーク)といい、昔は第二次世界大戦の終戦のシンボルだったらしい。

来たる5月8日は終戦記念日として今でも祝日になっているが、ドイツに占領されていたチェコがソビエト軍(と、実はアメリカ軍)に開放された日、人々はライラックの花を振って狂喜したそうだ。

その後、そのソビエトにどんな目に遭わされるかも知らずに・・・トホホ。

共産主義時代といえば、5月1日は「労働者の日」ということで、全国民に祝うことを強要した政治色の強い日だった。

https://www.youtube.com/watch?v=fa2q1KREayY

何を考えていたのだろう・・・と想像をかきたてられるような、複雑な目をした人々が映っている。

「え・・・何を考えてるって・・・あたしたちのこと?」

町はずれの丘に放牧されているメエメエさんたち。「エサをやらないでください」と札がかかっているが、バッグをごそごそやっていると何かもらえるとでも思うのか、ものすごいスピードで駆け寄ってくる。

さて5月はどんな展開になるだろう。不安・不確定要素が少しでも減ることを祈る!

アバター

Ako

チェコ在住15年を超えた40代女です。海外にいて「出身はどちらですか?」の問いに「東京です」と答えると、なぜかいつもガッカリされるのはなぜなんでしょう。好物はトマトと胡桃ゆべしです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントする