マスクをはずした街と、ズボラ・ルバーブケーキ

町が、光と活気にあふれている。

5月25日から、店舗などの屋内や公共交通機関の利用時などを除いては、マスクをしなくてもよいことになった。

マスクを外して颯爽と歩く人々の顔、顔。やっぱり人間の顔は、鼻と口が見えて「顔」になるのだ、と思う。眉と目の表情だけでコミュニケーションをとるのも、なんだか不完全な感じがしていた。

美術館や城などの文化施設も開館し、観光業にかなり依存しているわが町にも一気に人が戻ってきた。

同じく25日から、レストランやカフェの屋内席もオープンし、ちょうど雨が降りそうだったので、待ってましたとばかりに座ってコーヒーを飲んできた。

もっとも店員さんはやはりマスクをしていて、こちらも入店し注文するまではマスクを外せない。飲み食いするときは必然的に外してよいのだが、追加で注文するときはまた急いでマスクをしたり、なんだかせわしないし気を遣う。

チェコのマスク習慣は、感染防止というより、礼儀・気づかいの側面が強いような気がしている。

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さて、今日はちょっと甘酸っぱいお話を。

ルバーブをご存じだろうか。

日本でも寒冷地では育つと聞くが、チェコをはじめヨーロッパの国々では大変親しまれており、今がちょうど旬だ。

生食はできないが、茎の部分をケーキに入れたり、ジャムにしたりすると甘酸っぱくて爽やかなお味だ。

茎を食べるので、フルーツではなくて野菜の分類になるのかしら。

チェコ語でルバーブは rebarbora(レバルボラ)という。

スーパーなどでも、肥料をやって立派に大きくしたものが売られているが、庭で育った細めのルバーブをいただいたので、ケーキを焼いた。

ルバーブケーキのレシピは無数にあって、私も3つか4つは試してみたが、最近はいちばん適当で、かつ確実においしく焼けるこのレシピに落ち着いている。

どこで読んだのか、もらってきたのかもう忘れてしまったが、なにしろ計量にはかりも不要、「マグカップ○○杯」といたって適当なのである。

<ずぼら・レバルボラケーキ 材料> (38×24×4センチの天板を使用)

中挽き(これについては後で説明)の小麦粉     マグカップ2杯   

砂糖    マグカップ1杯

卵     2個

サラダ油  マグカップ1/2杯

ベーキングパウダー  8g

プレーンヨーグルト  150ml

牛乳    適宜

ルバーブ  適量

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知人の庭で自生しているルバーブの細めの茎を12本ぐらい使っただろうか。

まず茎をよく洗い、スジを多少とりながら(ルバーブ自体、スジでできているようなものなのでとりすぎに注意)3、4センチの長さに切り、砂糖(今回はブラウンシュガーを使用)大さじ2杯(分量外)をまぶして置いておく。

次に、大きめのボウルに卵2個を割り入れ、砂糖と一緒にハンドミキサーでしっかり混ぜる。

私がいつも計量用に使うのはこのマグカップだが、8分目ぐらい(約270㏄)を「1杯」として計っている。

レシピには何㏄のマグカップを使うか、の指定はもちろんないので、いたって普通のものを使えば、大体おいしくできるようになっていると信じたい。

トロッとするまでよく混ぜたら、サラダ油とプレーンヨーグルトを加えてさらに混ぜる。

ここで私はいつもヨーグルトの代わりに、チェコでケーキ作りに多用される tvaroh(トゥヴァロフ)を使っている。

ウィキペディアを見ると、tvarohにはドイツ語からとった「クワルク」という訳語が当てられているようである。

カッテージチーズに似ているが製法が違うらしく、チェコではケーキ作りのほかにもハムやツナ缶、ニンジンなどと混ぜてパンに塗るペーストのようにしたり、よく使われる材料である。

写真の左下が tvarohだ。脂肪分によって色々な種類が売られているが、ケーキ作りには脂肪分18%の半脂肪タイプを使っている。

プレーンヨーグルトの場合も、水っぽいものでなく、脂肪分の高いこってりした製品を使ったほうがよさそうだ。

最後に小麦粉とベーキングパウダーを、ふるいながらヘラでさっくりと混ぜ合わせる。

チェコの小麦粉は、日本のように「薄力粉」「中力粉」「強力粉」とグルテンの比率で分かれていない。

「細挽き」「中挽き」「粗挽き」と、粒子の粗さで分かれているのである。

クッキーなどは細挽き、ケーキは中挽き、パンは粗挽きを使うことが多いが、例外も多く、レシピの指示に従うのが無難だ。

じゃあうどんやパンを作りたくて、グルテンの多い小麦粉がほしい時はどうすればいいの?と思うが、チェコ人の誰に聞いても曖昧な答えしか返ってこない。よって、そのあたりはまだ未知数である。

さあ、生地が完成した。

次は drobenka(ドロベンカ)を準備する。

ドロベンカはチェコのケーキに多用される要素で、材料は小麦粉・バター・砂糖。これを混ぜて大きなそぼろ状にし、フルーツケーキの上に散らすことで、表面がフルーツの水気でべチャっとするのを防ぎ、ほどよいサクサク感が生まれる。

ルバーブはもともと酸味が強いので、ドロベンカで甘みを足す効果もある。

粗挽きの小麦粉大さじ5、砂糖大さじ4、バター(温めなくてよい)大さじ2を合わせて・・・

手でバターをつぶすような感じで、モミモミ、モミモミすると・・・

なんとなくポロポロしたそぼろのようになる。均一になっていなくてもOK。

さて、放置してあったルバーブを見てみると、砂糖のおかげで少し水分が出ている。

手でぎゅっと絞ると、写真右上のグラスにあるように汁がとれた。

(甘酸っぱくておいしいかな?と思い、水で薄めて飲んでみたが、ただの砂糖水だった。よって流しにポイ。)

先ほど完成した生地を、天板に流し入れる。

チェコの家庭ではケーキを焼くときに、丸い型ではなく長方形の深さのある天板を使うことが多い。

生地が固すぎて、うまく天板に流れないときは、牛乳を少しずつ足して調整する。

私はもっちりした生地が好みなので、天板には入れにくいが、牛乳はほとんど足さない。

生地の上にルバーブを散らす。

さらにその上から、先ほどのドロベンカを散らしていく。

そぼろ状になったものを片手でぎゅっと握り、ボロボロと大きめのかたまりにしながら蒔いていく。

これを170℃のオーブンに入れて、45分ほど焼く。

生地がのぞいているところがこんがりと色づいたら、竹串で中まで焼けているかチェックして、できあがり!

なんていい香り。ルバーブばんざい。

38×24×4センチのケーキも、私が食べ子供が食べ、あの人が味見しこの人にあげて・・・とやっていると、あっという間になくなってしまう。

超適当で、超美味なこのケーキ、日本でもルバーブが手に入ったら、ぜひお試しあれ!

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Ako

チェコ在住15年を超えた40代女です。海外にいて「出身はどちらですか?」の問いに「東京です」と答えると、なぜかいつもガッカリされるのはなぜなんでしょう。好物はトマトと胡桃ゆべしです。

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